2026年5月16日(土)、室蘭市にあるJR輪西駅で、日本遺産「炭鉄港」ガイド付きミニツアーが開催されました。主催は、室蘭観光協会と炭鉄港推進協議会(事務局・空知総合振興局)です。
・炭鉄港ポータルサイト | 炭鉄港ガイド付きミニツアー「炭鉄港 『室蘭本線のルーツを辿る』散策ツアー」を開催します
日本遺産、そして炭鉄港とは?
●日本遺産(Japan Heritage):
地域の歴史的魅力や特色を通して、我が国の文化・伝統を語るストーリーのこと。
文化庁が認定しています。「遺産」と名付けられていますが、「世界遺産」や「重要文化財」とは異なり、 地域に点在する複数の遺産を“ひとまとめ”にして、線ではなく面として捉えています。そして、それらを地域活性化や観光振興に活用することを目的としています。
●炭鉄港:
明治から昭和にかけて北海道の近代化を支えた空知の「炭」鉱、室蘭の「鉄」鋼、小樽の「港」湾、そしてこれらを結ぶ「鉄」道を舞台とした歴史や産業遺産群の総称のこと。
日本遺産の一つです。
わかったような、わからないような…。そのような感じるを受けるかもしれませんね。
あのアインシュタインは、 「6歳の子どもに説明できなければ、あなた自身(私のことです)が完全に理解していない」、という名言を残されています。
私自身、よくわかっていないのかも・・・。
それでは、ミニツアーのスタートです。
<<<<<< はじめに >>>>>>
・ツアーマップ(裏面の画像を含む)のブログへの掲載は問題無いとのことなので、載せています。
・ガイドさんが説明された内容を補足する形で、自分で調べたことも付け加えています。
・間違い等がありましたら、ご指摘いただけますと幸いです。
<<< 以上、よろしくお願いいたします >>>
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開催日当日は、東室蘭駅で「JRヘルシーウォーキング」のイベントウォークも行われていました。私も参加。ウォーキング後に、輪西駅まで電車(737系)に乗って移動してきました。
輪西駅の待合室で参加受付。
スタート前に、炭鉄港推進協議会の担当者からご挨拶があり、続いて本日ガイドを担当されるお二方のご挨拶と所属する団体の紹介、そしてツアーに関する説明がありました。
参加者は、総勢20余名。このうち、JRヘルシーウォーキングの参加者は5名くらい。地元紙「室蘭民報」の記者も同行されました。
※ 北海道ニュースリンク | 室蘭線散策、歴史たどる SLバックに記念撮影も 炭鉄港推進協がツアー【室蘭】(原記事は室蘭民報)
・こちらがコースマップとなります。全行程徒歩による2時間程度のツアーです。
水色で塗りつぶされたところ:かつての海(現在は埋め立て地)
ー線:本日の散策ルート(輪西駅 → 母恋駅) ー線:開通当時の室蘭線
ー線:札幌本道
・札幌本道とは
Wikipedia | 札幌本道
輪西駅を出て、一旦、室蘭駅方向へ向かいます。
「日本製鉄北日本製鉄所室蘭地区」の正門前で。
奥には、溶鉱炉が見えています。
手前右手には、錆びた鉄の柱があります。これは、「炭鉄港」の標柱です。
室蘭市内の炭鉄港の構成文化財の前には、この標柱が必ず設置されているとのことです。
ここでは、「恵比寿・大黒天像」ではなく、同じく炭鉄港の構成文化財である「工場景観と企業城下町」に関する説明がありました。
※ 「工場景観と企業城下町」の標柱は、潮見公園展望台に設置されています。
(昨年9月27日、炭鉄港ミニツアーに参加した時に撮影)
「工場景観と城下町」。どこ(どの会社)の、と書いてあるわけではなく、抽象的です。
室蘭は企業城下町ですが、輪西、御前水・母恋、(そして炭鉄港ではないのですが)本輪西と、それぞれの地区ごとにカラー(この場合は性質)の違う企業の城下町があるのです。
・輪西地区:日本製鉄(鉄)
・御前水そして母恋地区:日本製鋼所(鋼)
・本輪西地区:ENEOS(旧 日本石油)(石油)※現在は石油製品の製造を停止。
その企業城下町が複数集まっているのが、室蘭です。全国的にみても珍しく、面白いところでもあります。
日本遺産は、「もの」ではなく「ストーリー」を認定するものです。その意味で、この「工場景観と企業城下町」というのは、実に日本遺産らしい構成文化財といえるようです。
輪西が面白い、とガイドさんが感じることについて説明がありました。
「一条」、「二条」、…(「十三条」まであります)という「条」の付いた縦軸と、「中通」と「社宅通」という2本の横軸の組み合わせで、輪西の人たちは、どこに何があるかを全て言い表せるそうです。
縦軸と横軸の組み合わせで、住所を表すところは、北海道内に多いですよね。札幌、旭川、帯広、等々。
ちなみに輪西は、屯田兵が入植(第二次入植)したところなのです。室蘭で第一次入植したのは、東室蘭駅北側の今の中島町とのことです。
ここで標柱や正門などの撮影タイム。タイミング良く(?)、列車が来ました。
ここでUターンし、輪西駅、そして母恋駅方向へ向かいます。
室蘭の最盛期には、都市銀行の北海道拓殖銀行(拓銀)が、市内に3店舗ありました。拓銀が経営破綻後、営業を北洋銀行に継承した際、輪西支店は廃止されました。現在は、(北洋銀行の)室蘭中央支店と中島町支店の計2店舗が残っています。
※ 室蘭で最も人口が多かったのは、1969(昭和44)年の7月。住民基本台帳では、183.605人とのこと。今年4月現在で72.568人なので、今より2.5倍も多かったのです。
輪西駅前に戻ってきました。
(画像は無いのですが)道路を挟んだ向かい側に「輪西駅前広場」があります。ここは戦争中、○○(聞き取れず)をどかした場所とのことです。なぜ、このようなことをしたのでしょう?
この広場は、室蘭市中央町の「小公園」や札幌市の「大通公園」と同じ考えで、防火線の役割を持たせるためでした。工場と商業地区・住宅街との間に(防火線を)設けることで、延焼を食い止めるためでした。
線路の向こう側に見えるのは、自動車専用道の「室蘭新道」です。この道と合流・分岐する斜めの道があります。「仲町ランプ(仲町出入口)」です。
日本製鉄所構内と御崎埠頭方面への道路にのみ接続しているトラックやトレーラー等の荷役運搬車両のための道路となっています。
・ランプ(ramp)とは:
本来、「斜路」とか「斜面」という意味です。本線と他の道(一般道や高速道)をつなぐ傾斜路のことです。
※「仲町ランプ」周辺を、地図で確認しました。
少々歩いてから、「室蘭新道」についての説明がありました。この道は、国道36号のバイパス道路で、北海道で最初の自動車専用道なのです。
説明された内容は、Wikipediaに書かれていることと同じ(ような感じ)でした。ご興味のある方は、読んでみてください。
・Wikipedia | 室蘭新道
国道36号と室蘭新道が交差する近くで。
この辺りに、最初の室蘭駅が。そして、“安全第一”と書かれた建物近くには、室蘭で最初の鉄鋼炉があったとのことです。
ちなみに、ここ一帯が輪西旧市街地でした。
大正初期の輪西旧市街地と製鉄所。
※ 配布された資料(マップ裏)より。
山と海に挟まれたところに工場と住宅が混在しています。
海の埋め立て、そして工場の拡張に伴い、住宅は移されたとのことです。
※ 昔と現在の地図を比較しながら見ることができる「今昔マップ」、ご存じですか? 例えば、1917年と現在とを比べてみると。
工場のあるところは、(干拓済みの場所を除いて)多くが海であったことがわかります。
貴重な写真を見せていただきました。
線路が海の上を通っています!
高輪ゲートウェイ駅周辺の再開発で築堤の石垣の一部が発見され、かつて鉄道が海上を走っていたことが、あらためて認識されました。それと同じでしょうか?
奥に見えるのは、「御崎町」の突き出たところです。現在ではわかりにくいですが、昔の写真を見ると、ここが岬(御崎)であったことが良くわかります。
しばらく進んでいくと、フェンスの向こうに小型の蒸気機関車が見えてきました。
近くで見ることができれば。・・・と思っていたところ、保存されている (株)テツゲン室蘭支店の構内に入れることに。(入る直前まで知らされていませんでした)
※ 構内は、SLとその案内板以外は、撮影不可でした。
日本製鉄輪西製鉄所(後の新日本製鐵室蘭製鉄所)や鐵原(後にテツゲンに改称)の室蘭コークス工場の専用線で、1982(昭和57)年まで実際に走っていたものです。
もう一台、「S-304」号機が走っていましたが、現在は三笠鉄道村で動態保存されており、嬉しいことに運転体験ができるようです。
・三笠鉄道村 | SL機関士体験
こちらは、水を石炭を機関車本体に積載するタンク車です。横の箱のようなものに石炭を入れていたとのことです。
現在は埋め立てられて姿を消しましたが、かつて、この先には「蛇島」がありました。
最初の室蘭線の終着点があったところです。石炭の積み出しのため、沖にあった島まで桟橋が整備されたとのこと。(島に、実際に蛇がいたかどうかは不明)
「御崎駅」に着きました。ここで休憩です。
ほどなくして、東室蘭行きの列車が入線。出発後、駅名標とのツーショットを狙ったのですが…。
シャッターを押すのが、ちょっと遅かったようです。
休憩を終え、出発します。
御崎駅の向かいには、一見すると普通の家があります。
この家、実はテレビ朝日系の『ナニコレ珍百景』で、MV珍を獲得したのです。
[珍百景No.115] 岸壁の中にある家
・テレビ朝日 | ナニコレ珍百景
防空壕の横に建てられていたのが、道路拡幅のため削られてしまい、家を横に広げることに。その結果、防空壕は隠れてしまい、その防空壕に扉を付けて物置として使っていたとのことです。
「室蘭新道」御崎出入口(御崎ランプ付近)で。
※ マップでは、「御傘山神社」と書かれた左横の標高を示す「.14」から左に向かう道のところです。
「日本製鋼所室蘭製作所」の工場を見ることができます。
手前にかかる橋の上から。
線路の左側(東側)が、高さ15~20mの崖となっています。もともと右側(西側)に向かって緩やかに低くなっていたところを、製鉄所を建設するにあたり、相当の発破をかけて平らにならしたとのこと。その名残が、この崖となっています。
先ほど紹介した「今昔マップ」を見たところ、1896年時点では、緩やかであったことが確認できます。
右手から室蘭新道が下りてきますが、(この区間は)以前にあった貨物線の上に造られたそうです。
北海道の一大石炭産地である空知地方から、60両くらいの石炭を積んだ貨車(セキ車)が東室蘭に到着。それから切り離し、少しずつこちらに送り込んだとのことです。
国道36号線から一旦左に折れ「御傘山神社」を目指すのですが、曲がった角にあるのが「菓子工房モンパリ」さん。
母恋で創業し、平成24年、こちらへ移転。名物は「げんこつパイ」。パイ生地の中にクリームが入っている普通のパイと違い、スポンジ(ケーキ)が少し入っていて、工場労働者のお腹にたまる室蘭らしいお菓子とのことです。(食べてみたいですね)
ちなみに、ソフトクリームを買いに来る客も多いとか。
実は、私もその一人でした。
昨年(2025年)ですが、JRヘルシーウォーキングに参加した時には、こちらでソフトクリームをいただきました。
(2025.9.27撮影)
「御傘山神社」前で。
こちらは、「日本製鋼所」の神社となります。
日本製鋼所のお祭りが毎年8月の初めにあり、その時は、製鋼所の若い人たちが、応援で出店などを手伝われるそうです。
北海道神社庁のホームページに、由来などが載っています。
・北海道神社庁 | 北海道の神社「御傘山神社」
モンパリさんから、こちらの神社に上がってきた道。そして、この先も続いていくのが、かつての「札幌本道」でした。
明治天皇は、1881(明治14)年の9月4日から9月5日にかけて、「北海道巡幸」の一環として、室蘭を訪問されました。
白老から札幌本道を使って室蘭に入られ、「潮見公園」と「母恋」で休憩され、現在の海岸町にあった「山中旅館」でお泊りになられたとのことです。
昨年(2025年)、東室蘭で開催されたJRヘルシーウォーキングでは、天皇陛下が通られた「札幌本道」(現 観光道路)を、母恋側から潮見公園へと歩きました。山道とはいえ、主に山肌に沿ったルートということもあり、うまく高低差を抑えられているという印象を持ちました。
(上から下へ:母恋側、中間部分、潮見公園側)
①室蘭は険しい海岸線が多く。当時の技術では、海岸沿いに道路を通すことが非常に困難だったため。
②札幌本道は、日本初の本格的な馬車道として設計されました。、そのため、馬車がスムーズに通行できるよう、傾斜が緩やかである必要があったため。
③当時の室蘭側の出入口は、現在の室蘭駅付近です。室蘭から札幌方面へ、最短距離で効率よく結ぶため。
※ 室蘭の対岸(現在の森町)からは、陸路ではなく船で来たのです。
当時は、大変な思いをして道路を開削したことが容易に想像できます。先人のご苦労に、頭が下がります。
ミニツアーも、終わり近くとなりました。
工場の遠景を眺めながら、国道36号に戻ります。
大正初期の御前水住宅と日本製鋼所。
※ 配布された資料(マップ裏)より。
道路の向かい側から、こちらに向かって手を振っている人が数名。納豆の製造・販売を手掛けている内藤食品工業のスタッフさんでした。ガイドさんのお知り合いのようです。
ここで作られている納豆は、全国納豆鑑評会で最優秀賞や優秀賞の受賞実績があります。
会社名すら存じ上げなかった私。納品先に、イオン北海道やアークス等があるので、札幌に帰ったら探してみましょう。
(炭鉄港ツアーが、納豆情報を入手できるキッカケになるとは、思いもしませんでした)
「炭鉄港」の構成文化財である「旧火力発電所(日本製鋼所)」を遠くに見ることができたのですが、撮影失敗しました。
こちら、変わった名前のバス停です。
「ラッパ森」。札幌新道を造る際、頭(かしら・今でいうリーダーや責任者)が、ラッパを吹いて作業を指揮していたことから付けられた、といわれているそうです。他、クマ除けにラッパを吹いたとか、諸説あります。
※ 『広報むろらん』2011年11月号に、ラッパ森に関しての記述があることが、あるホームページに書かれていました。機会があれば、目を通してみたいと思っています。
そうこうしているうちに、「日本製鋼所室蘭製作所」が近くに見えてきました。
そして、今回のミニツアーの終着点、「母恋駅」に着きました。
スタート地点の輪西駅でも説明を受けたのですが、画像を撮らなかったこともあり、こちら母恋駅で。
ホームの先で盛土しています。これからホームを造るのではなく、以前ホームだったところなのです。
輪西駅や母恋駅など室蘭本線の支線に入線する列車は、過去に10両編成もあったとのこと。今後は、ここまで長い編成は入線しないということで、ホーム長を短くしたのでした。(現在は、長くても6両編成です)
室蘭の鉄道の推移、ホームを見てもわかりますね。
さて、約4kmのコースを、2時間少々かけて歩き、楽しみながら学べたツアーの終了です。
〆の挨拶がガイドさんからあり、その後はアンケートに記入し解散です。(アンケートは、QRコードから読み取り、あとからスマホで回答可能です)
今回も、内容満載のツアーでした。
開業当時の室蘭線が海上を通っていたり、沖合の島まで桟橋を設けて(そこから)船に石炭を積んでいた等、「室蘭本線のルーツ」を知ることができたのは、大きな収穫でした。また、鉄道に偏らず、「炭」、「鉄」、「港」を相互に関連付けて、バランス良く説明されていたのも、室蘭ならではと感じた次第です。
次回(来年?)も実施されのであれば、ぜひ参加したいと思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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ここからはオマケです。
札幌に帰るために乗車する列車の発車時刻までは、1時間以上あります。
室蘭駅まで移動。そこで、遅い昼食(早い夕食)にすることにしました。
向かった先は、駅から徒歩5分のところにある「天勝」さん。
早じまいすることもありますが、今日は開いていました。(良かったぁ)
まずは、こちらを!
本日は、炭鉄港ツアーで4km歩いたのとは別に、午前中JRヘルシーウォーキングで7km(ショートコース)歩きました。トータル11km。十分に歩いた、と自己満足。乾杯!!
そして、天丼です。
こちらでは、蓋をした状態で提供されます。
そんなことをすると、サクサク感が失われるのでは?
天勝さんの天丼は、これでいいんです。
揚げた天ぷらをタレにくぐらせてご飯の上にのせる、しっとりタイプなのですから。
丼の中がわかっているのに、蓋を取る時にはワクワクしてしまう。そんな私、中身は “お子ちゃま” なのかもしれません。
うまそう。もちろん、見た目だけでなく、味も良し。
先に書きましたが、しっとり系です。
これが好みでないという方も、おられるかと思います。でも、一度は味わっていただきたい、室蘭の天丼なのです。















































































