2025年10月1日水曜日

【2025年JRヘルシーウォーキング参加記〈東室蘭駅〉~ 工業都市でありながら自然豊かな室蘭を再発見】

※ 2025.10.4更新。追記しました。

9月27日(土)、東室蘭駅でJRヘルシーウォーキングのイベントウォークが開催されました。
同駅での開催は久しぶりです。確か2017年5月以来かと思います。

札幌駅から東室蘭駅までは、特急「北斗」4号(6:53札幌発→8:15東室蘭駅着)を利用しました。1時間半程度の移動ですが、特急に乗れるとなると、もはや小旅行気分です。そして、鉄旅といえば駅弁! 朝食として、「やまべ鮭寿し」を購入しました。期間限定で、花咲ガニ入りです。

北斗の車内で、乗車券・特急券と。


札幌駅で販売されている駅弁の中では、個人的にNo.1と思っています。

駅弁を食べながら列車移動を楽しんでいると、普段停まらない恵庭駅で臨時停車。車掌氏のアナウンスによると、普通列車・快速列車のダイヤが乱れたため、乗客が特急列車停車駅に行けないことから、ここで停車し乗せるようにしたようです。
さらに、南千歳駅の先にある美々信号場(旧美々駅)でも停車。先行する普通列車が鹿と衝突した影響で、(詰まって)動けないとのこと。長期戦を覚悟したのですが、さほど待たないうちに出発。この時点で12分遅れ。
途中、徐行したこともあり、苫小牧着は14分遅れとなりました。私は(遅れに関して)問題ありませんが、新函館北斗駅で新幹線に乗り換えの乗客は焦ったかもしれませんね。(同駅での接続時間は、30とられています)

そして、東室蘭駅に十数分遅れで到着しました。
改札を出ると、ヘルシーウォーキングのスタート時間である8:30。列車が遅れて、ちょうど良かったのかも。

あれっ? (ヘルシーウォーキングの)スタッフが、慌ただしく準備をしています。この遅れた列車で来たため、今準備中とのことでした。大変ですね。

マップをもらい、東室蘭駅の東口からスタートします。


・コースマップはコチラです。(新しいウィンドウで開きます)

室蘭本線の支線(東室蘭駅~室蘭駅)に沿った道を、室蘭駅方向に向けて歩いていきます。

室蘭といえば工業都市で “鉄のまち”。進行方向右手には、工場が見えてきました。


こちらの建物(下の画像)は、JR貨物の輪西車両所(旧輪西派出所)です。


2017年9月16日には、一般公開されました。その時は、DF200形ディーゼル機関車の乗車体験もありましたよ。(すみません、ピンぼけです)


食堂dいただいたのは、ご当地グルメのカレーラーメンでした。


ウォーキングに話を戻しましょう。

室蘭駅始発の737系が来たのでパチリ。(うまく撮れませんでした)


「室蘭新道」をくぐります。この道路は、北海道最初の自動車専用道路なのです。



・Wikipedia | 室蘭新道

輪西駅の手前で、例の案内板が…。


私は、基本コースを選択します。初めての道ということで、楽しみ?

輪西駅に来ました。東室蘭駅の隣の駅です。


巨大なサッカーボール? 室蘭ガスのタンクなのです。


室蘭支線の列車からも良く見えましたが、間近で見るとさすがにでかいですね。

ところで、なんでサッカーボールなのでしょう? 室蘭といえば・・・北海道の高校サッカーの名門、大谷室蘭高校があるのです。かつては、今以上に “サッカーのまち” でした。

室蘭に本社がある道南バスは、室蘭~札幌間に都市間高速バス「高速白鳥号:を走らせていますが、以前は、大谷高校~札幌間にも「室蘭サッカー号」を走らせていました。

・参考:道南バス株式会社 on X: "【室蘭サッカー号の毎日運行について ...】

高校発の高速バス、珍しくありませんか?(現在は、走っていませんが)

御崎駅です。東室蘭駅から2つ目の駅。


東室蘭駅~御割駅間の営業キロは、4.2km。この線路と並行する道路を進んでいるので、歩いた距離も同じくらいでしょう。

いままで平坦(多少の上りはあり)でしたが、ここを左折すると、しばらく上りが続きます。


その前に、こちらでひと休み。「菓子工房モンパリ」さんです。


食べたくなるんですよね。


さあ、歩き始めましょう。絵鞆半島(室蘭半島)の山越えです。

坂の途中に「御傘山神社」がありました。


境内にあったのは、「天澤泉」。


明治天皇が北海道巡幸の際、御膳水として献上された清水とのことです。


上りが続きます。


ところどころで、室蘭らしい工場群の風景を眺めることができます。


住宅がなくなり、山越えの感じとなりました。(実際、半島を貫く尾根を越えていきます)


日本製鉄の工場群です。この後、何度も眺めることになります。


こんなところにヤギが。


番犬ならぬ番ヤギ、のワケないですよね。

足取り軽く(?)、下っていきます。太平洋が見えてきました。


「潮見公園」に着きました。ここの景色、素晴らしいですよ。

室蘭港側の工場群と、


そして、太平洋を一望。



さらに下りていき、「イタンキ浜」に到着です。


この半島(絵鞆半島)の先に向かっては、断崖絶壁となっています。半島に囲まれた室蘭港側(白鳥湾ともいいます)は波の静かな天然の良港となっており、埋め立てられた場所には多くの企業が立地しています。一方、半島の太平洋側は荒々しい光景となっているのです。
室蘭の持つ二面性、工業都市てありながら自然豊かであることが、今回歩いたことで分かりました。
※『ブラタモリ』の室蘭編でも、このことが強調されていたように思います。

「イタンキ浜」は、“ 鳴り砂” としても知られています。


私は2度ほど歩いたことがありますが、“鳴り砂” は未経験です。3度目の正直ということで挑戦したかったのですが、本日はパスしました。

風が強いため、波が荒いですね。



卸売市場の前を通り、


海を離れ、市街地方面に進みます。


途中、このような道を歩きました。「大和公園」です。


平地の少ない室蘭で、このような緑地帯があるのは珍しいかもしれません。上に高圧線が通っているからでしょうか?(それにしては広いところもあります)

あと約1km!


ゴールしました。


本日の室蘭は晴れ。最高気温は23.3℃。絶好のウォーキング日和でした。

基本コースでは、日本製鉄(株)のお膝元である輪西地区をかすめる感じでしたが、ショートコースでは、地区の商店街などを歩くようなルートとなっていました。
私は基本でしたが、午後に参加した「炭鉄港ミニツアー」では、輪西地区をじっくりと歩くことができました。この時の様子は、いずれ取り上げたいと思っています。

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室蘭では、東室蘭駅前(西口)にある「さっぽろっこ」さんで、こちらをいただきました。



ヘルシーウォーキング終了後、すぐに炭鉄港ミニツアーの集合場所である輪西駅に移動。ツアーの終了は、14:40頃でした。
室蘭の飲食店は中休みの店が多く、ランチには苦労します。私は一旦室蘭駅に行き、駅近くの「天勝」さんでと考えていたのですが。お店に着くと、本日は既に営業終了…。
結局、1時間ほど駅近くの公園で時間をつぶし、東室蘭駅へ。時間は16時過ぎ。そこで、やぅっと遅い昼食にありつけたのでした。

ところで、西口前では、グルメや音楽、縁日を楽しむイベント「ウエストゲートパーク(WGP)祭」が行われていました。


天気にも恵まれ、集まった皆さんも楽しまれたのではないでしょうか。時間があれば私も・・・でしたね。

〔2025.10.4追記〕
来年、「やきとりJAPANフェスティバル」が室蘭で開催されることになりました。全国の焼き鳥の名店が一堂に会するイベントで、北海道での開催は初めてです。(日程や会場などは未定)

・北海道新聞 | 「やきとりJAPANフェス」26年は室蘭開催 北海道内初 全国の名店一堂に

来年に室蘭(東室蘭)ウォークが開催される場合は、このイベントに日程を合わせてくれると楽しみが増えますね。


最後に、このヘルシーウォーキングに参加するために使用した “きっぷ” (札幌~東室蘭間)をご紹介します。


往復ともに特急列車を利用したのですが・・・、
行きは「北斗」4号で4.610円。帰り「すずらん」9号で3.530円。同じ区間なのに、料金が違います。両きっぷともに「えきねっと」で購入しましたが、“トクだ値”の割引率は異なり、乗車日は1.000円以上の差がありました。
この区間には「北斗」と「すずらん」が走っていますが、通常は「すずらん」の方が安く乗車できます。そのため、時間的なことや、気動車特急(「北斗」です。「すずらん」は電車特急)に乗りたい、といった特別な事情がない場合は、「すずらん」を利用された方が、お財布にはやさしいですね。

※ 札幌~室蘭間には、北海道中央バスと道南バスが都市間高速バスを走らせています。そのうち、北海道中央バスは今年11月30日をもって、同区間の路線を終了することになりました。
深刻な運転手不足が、その理由とのことです。

・北海道中央バス | 弊社の高速バス路線の運行終了に関するお知らせ

これを受けて、道南バスがどのように対応するかは現時点では分かりませんが、今後は「すずらん」の需要がより高まる可能性があるのではないでしょうか?

この夏、北海道も例年にないくらいの暑さが続きましたが、最近は涼しくなり、快適なウォーキングができるようになりました。
2025年開催のJRヘルシーウォーキング東室蘭駅編の参加記は、これで終わりとなります。最後までお読みくださり、ありがとうございました。

2025年9月24日水曜日

【2025年も鉄分補給ツアーに参加 キハ183の運転席に座れました】

JRヘルシーウォーキングの開催日に、日本遺産「炭鉄港」関連のミニツアーが実施されるようになったのは一昨年から(室蘭は昨年から)。追分駅では、今年も鉄分補給をメインに企画されたツアーが行われました。

・炭鉄港ポータルサイト  |  炭鉄港ガイド付きミニツアー「鉄道の町あびらを巡る!炭鉄港 鉄分補給ツアー」を開催します

昨年は、午前中が中級編、午後が初級編でした。今年は午前、午後ともに同じ内容となりました。さて、どのような内容になったのでしょう?

※ 昨年も参加し、記事にしています。こちらもお読みいただけたら幸いです。
炭鉄港ミニツアーとは?~ 鉄分補給ツアーに参加

私は、午後の回に参加しました。追分駅前を13:50にスタートです。ガイドを務められたのは、あびら鉄道交流推進協会(あおぞら会)の矢野事務局長です。

最初に、駅前に保存されているSL「D51-465」の動輪を見学します。


ここでは、D51についての詳しい説明がありました。Dとは何を意味するか?  数字 “51”は? さらに、そのあとの数字は?   動輪の軸数が3本なら“C”、4本なら“D”。数字ですが、10から始まるのはタンク機関車、50から始まるのはテンダー(炭水車)付き機関車。そして、最後の数字は製造番号です。
そして、この465号機がどの機関区に所属し、どこに転属したかという車歴についても教えていただきました。

その横にあるのは、こちら。「D51-320」のモニュメントと電気自動車の充電設備(知りませんでした)です。

明治時代や昭和28年などの数枚の写真とともに、街並みの移り変わりについてお話がありました。駅前には林田待合所があって駅弁を売っており、お食事処としての役割もあったそうです。

次に、追分駅南側にある跨線橋(センターブリッジ)に移動します。時間は14時少々過ぎた頃。ちょうど追分駅が一番にぎやかになる時です。


目隠し版があるため、うまく撮れませんでしたが、1番ホーム(右)、2番ホーム(中)、3番ホーム(左)に列車が停まっています。一日の中で追分駅のホームすべてに列車が停まっているのは、この時間帯だけなのです。(4番ホームもありますが、現在は使用されていません)

14:04発の千歳行き普通列車(H100)が出発しました。ヘルシーウォーキング参加者を運ぶためか、通常1両のところ増結され2両編成でした。

追分駅を発車する列車としては、すごい混みようとのこと。ウォーキングされた皆様、お疲れ様でした。

次に出発したのは、14:05発の岩見沢行き普通列車(キハ150)です。

最後は、14:09発の苫小牧行きの普通列車(キハ40-1790・山明)。団体向けの観光・臨時列車としても使用されます。

※ 2019年のJR北海道苗穂工場の一般公開では、同車両が展示されていました。


追分駅に、静けさが戻ってきました。
撮影タイム(?)も終了し、ここから見える操車場跡の説明がありました。広い追分駅構内が以前はどうだったのか、過去の写真と見比べながら説明を受けます。



以前はこの場所に、仕分け線や石炭線(機関車に石炭を積むための線路)
など数多くの線路、そして検査場、機関庫などがありました。


※ このような写真を含む資料を見せていただけるので、分かりやすいです。

投炭練習場もあったとのことです。機関助士になる前に、石炭をくべる順序を学んだ施設で、
蒸気機関車内の火室にくべる際に平らになるよう練習したそうです。大変な作業であったことが、容易に想像できますね。
機関庫焼失の話もありましたが、原因は不明とのこと。不審火らしいのですが…。

もともと追分町(現安平町追分)は、鉄道に関係している人が半数以上いたそうです。この町における鉄道の役割の低下に伴い鉄道関係者も少なくなり、当然(町の)人口も減少という流れになりました。昭和34年の追分の人口は7.260人。現在は2.826人だそうです。

目隠し板には、どこかで見たような列車が。


JR北海道のジョイフルトレイン「リゾートエクスプレス トマム&サホロ」ですね。

実車は、こちらです。(撮影年月不明。苗穂駅構内にて)


跨線橋を後にし、今度は追分中学校へ向かいます。途中、駅前周辺がいかに賑わっていたかたという説明を聞きながら、到着しました。目的は、この動輪です。


ここは、昨年のツアーではコースに組み込まれておらず、個人で訪れました。そのため、学校敷地外からの見学。今年は、間近で見ることができます。

ところで、この動輪ですが、「D51-237号機」のものではないのです。

よ~く見ると・・・710の刻印があります。(0が見難いです) 
こちら、710号機の動輪なのです。


台座に記されている237号機は、苗穂工場に静態保存されています。
237号機と710号機の車歴の説明もありました。

「D51 237」と書かれた銘板の上にあるのは、710号機の動輪。なぜ、このようなことが起きたのでしょう?
237号機というと、苗穂工場で作られた記念すべき最初のSLです。そのプレート(レプリカです)を残したかったのではないか?  また、昔は機関車の車輪の “振りかえ”(例えば、237号機に710号機の動輪を取り付ける)の可能性もあるのでは? ということでした。
ちなみに710号機は、追分で廃車→解体されました。

ところで、この動輪は線路から落ちています。2018年の北海道胆振東部地震の影響とのことです。震度6強(追分で)となると、このようになるのですね。

見学を終え、次の目的地までは、しばし市街地を散策。

古い新聞販売店の前を通りました。現在、こちらは使われていないようです。


「主婦の友」、現在は休刊中。各紙(誌)の看板、いい味を出していますね。

ちょっとした空き地で、飛び立つ鳥が2羽。白と黒のツートンカラーで、大きめのサイズ。そうです、カササギです。(写真は撮れませんでした)
もともと北海道にはいなかったのですが、今では道南の苫小牧市などではお馴染みとなりました。ここは、苫小牧と比較的近いので、普通に見ることができるのかもしれませんね。

追分小学校です。ここにもD51の動輪が保存されています。929号機です。


ここでも車歴の説明がありました。追分とは直接関係ありませんが、鷲別~岩見沢間の室蘭本線を走っていた(追分は途中駅)機関車とのこと。

そして、最後は道の駅「あびらD51ステーション」へ向かいます。途中には栗の木がありました。


まだ早いですね。

歩いている途中の雑談(?)で、貴重なお話を聞けました。打撃の神様といわれた川上哲治氏が追分の学校を訪れ、野球を教えた後に記念講演をしたとのことです。

「あびらD51ステーション」では最初に、裏手に保存されている動輪を見に行きます。


こららが、追分で保存される予定だったSLの動輪です。火災がなければ…、。
241号機は苗穂工場製で、製造されてから最後まで追分にいました。昭和29年には、お召列車の先走り列車(指導車)を牽引しました。

昭和50年には、夕張から追分まで最後の石炭列車を牽引。その前に車検切れで廃車になる予定だったとのことで、苗穂工場で保存することを考えていたのではないか? ということでした。

そして建物内へ。炭鉄港のブースや、追分と鉄道との関りを説明するパネルも展示されていました。

併設されている鉄道資料館で、SLの説明を受けます。火災時、外に留置されたいたため、被災を免れた320号機です。


そして、最後はキハ183の車内見学です。時々、一般公開されていますが、この日はツアー参加者のみが対象でした。



懐かしいですねぇ。特急車両ということで窓は開きませんが、冷房を入れてくれていたので快適でした。

これでツアー終了そして解散と思いきや、ここでサプライズが!
運転室を見学させていただけることになりました!! 参加者から「おー」の声が。
まったくの想定外!!! こんなチャンス、めったにありません、小躍りしたい気分でした。

高い位置にあるためか、視認性はバツグンですね。あと、考えたくありませんが、ぶつかった時など、安全面でも優れていたのでしょう。


ちなみに、外観は。


横の窓から、前方を。


後方は。


このアナログ感、堪らないですね。


当時は、追分駅で運転士が交代していました。


画像を撮り忘れましたが、運転席後部に送風口があり、エンジンがかかっていると冷風が流れてくるとのことでした。そうでないと、耐えられないですよね。

ミニツアー終了です。今回も楽しい時間を過ごすことができました。
追分でのミニツアーは、過去3回すべてに参加しています。ガイドをされる方は、各回違いました。同じことを説明されるにしても、ガイドさんによって切り口が異なるので、毎回参加しても興味深く聞くことができます。

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北海道の空知振興局、そしてNPO法人炭鉱の記憶推進事業団など各種団体は、日本遺産「炭鉄港」の理解をひろげる活動に力を入れています。来年のJRヘルシーウォーキングでも、追分はもちろんのこと、岩見沢、美唄、室蘭、小樽などでミニツアーが開催されるかと思います。
ヘルシーウォーキングに参加される方も、そうでない方も、一度このツアーに参加されてみてはいかがですか? きっと新たな発見があるかと思います。