2025年1月28日火曜日

【「北海道遺産と歴史探訪コース」を歩く ~ 札幌市東区 5.6km】

※ 2025.2.1更新。追記しました。

札幌市では、各区役所ごとにウォーキングマップを作成しています。札幌市全体では、113コースあります。

昨年、中央区の「神社仏閣及び歴史コース(東地区)」を歩きました。

・過去記事 : お散歩気分で~札幌〈神社仏閣及び歴史コース(東地区)〉

今回は、東区の「北海道遺産と歴史探訪コース」を歩いてみました。

・コースマップはコチラです。(新しいウインドウで開きます)

東区についていろいろと知ることができるコースです。サッポロビール博物館、北海道鉄道技術館、札幌村郷土記念館など見どころいっぱい。

コースの所要時間は約1時間半ですが、施設などを見学すると、その2~3倍くらいは時間がかかるかもしれません。ご自分の興味に合わせて、見学する施設を絞るのも、よろしいかと思います。

※ マップには、各施設の電話番号が記載されています。休館日などは事前に問い合わせをするか、ホームページ等で確認をお願いします。

スタートは、「東保健センター/東健康づくりセンター」です。

南方向に進み右折。「ななめ通り」(道道273号 花畔札幌線)に入ります。

2階建ての建物とマンションの間の細い通りが「ななめ通り」です。道路が碁盤の目の状態で整備されている札幌で、ななめ状は珍しいのです。

ところで、道道花畔札幌線の “花畔” を読めますか? 北海道の難読地名の一つかも。正解は「ばんなぐろ」です。石狩市にあります。もう一つ、同市に “生振” という地名があります。こちらの読みは「おやふる」。私、読み方を知る前は「なまふり」と読んでいました。両地名ともにアイヌ語由来です。

通りに沿って市営住宅があり、1階は店舗となっています。(シャッターが閉まっているところが多いです)

地元のコミュニティFM局「さっぽろ村ラジオ」の事務所・スタジオです。

こんなところにあったんですね。

少し先には、「田中絃姫のキムチ店」があります。

韓国出身の絃姫(ヒョンヒ)さんの自家製キムチを購入できます。最初は甘く、次に辛さが来るのが特徴です。他店のキムチでは味わえないかと思います。時々、スーパー等に出店(ワゴン販売)しています。

「ななめ通り」は続きますが、コースはここを左折。北8条通に入ります。

右側には、「ななめ通り由来表示板」が設置されています。

この「ななめ通り」は、旧伏籠川の堤防沿いに自然とできた “けもの道” が起源だそうです。

・参考リンク : 朝日新聞デジタル | ななめ通り(札幌市東区)

東8丁目篠路通との交差点近くには、石蔵があります。

この石蔵ですが、共同住宅と繋がっています。集会室として使われているという話を聞いたことがありますが…。木骨石造でしょうか? 興味深いのは、蔵の向き。他の建物と異なり、正面(共同住宅側)~裏正面が “南西~北東” となっています。かつて、裏正面の前を川が流れていたので、その関係でしょうか?

※ こちらの地図で確認できます →  札幌市図書館 デジタルライブラリー | 最新札幌市街図 【地図資料】 古地図 出版年 : 1909(明治42)年3月(新しいウインドウで開きます)

※ リンク先の地図の線路北側に「条八北」があるかと思います。その通りの一番右側(東側)がT字路となっており、そこにこの石蔵があります。川がすぐ近くに流れていたことが、お分かりになるかと思います。(下図も参考になれば)

コースをこのまま歩くと、お待ちかね(?)のサッポロビール園/サッポロビール博物館です。(撮影失敗したので、2021.9撮影の画像から)

ウォーキングするのではなく、こちらだけ訪問という場合は、バス利用が便利です。札幌駅北口からは直行バスが出ています。(直行バス以外もあります) また、大通公園や札幌駅前(南口近く)からも。そして、新千歳空港との連絡バスもありますよ。 

受付はこちらで。

レストランは完全予約制ではありませんが、混んでいる場合は待ち時間が長くなるので、予約をおすすめします。博物館は、自由見学とガイド付きプレミアムツアー(有料・予約制)があります。おすすめはテイスティング(「復刻札幌製麦酒」と「黒ラベル」の各1杯)が付いた有料コースですが、ウォーキング中は・・・。でも、ソフトドリンク2杯も選べますよ。

一番奥(線路側)にあるのが、日ハムの室内練習場です。(隣には選手寮も)

シーズン中は、寮~練習場を移動する選手の出待ちをしているファンが多数います。

そして、サッポロビール構内を出たところを左折。線路沿いに東方向へ。左側に「アリオ札幌」があります。


天気が急変して雪や雨が激しくなったような時には、ここで休まれて様子見をした方がよろしいかと思います。最悪、ウォーキングを中止する場合もここで。アリオから苗穂駅まで屋根付きの空中歩道があり、濡れずに駅まで行くことができます。(下の画像に写っているのが空中歩道です)


ここを左折するのですが、直進すると数分で「北海道鉄道技術館」に行くことができます。


ただ、問題なのは開館日時です。


毎月第2・第4土曜日の13:00~16:00に開館しています。(臨時休館の場合もあり)
ウォーキングの開始時間によっては開いていないので、その場合は後から訪問した方がよろしいでしょう。

コースから少々逸れますが、こちらは見ていただきたい建物です。


現在では、札幌市唯一の木造校舎なのです。


コースに戻りT字路に突き当たるところに、立派なお寺があります。「大覚寺」です。


1920(大正9)年に建てられた北海道内で最大といわれている山門。しかし、この山門は街道(元村街道・ななめ通り)ではなく、東側に面しています。かつて、山門の前を伏籠川が流れており、橋を渡って山門をくぐったようです。

・参考リンク : Wikipedia | 大覚寺

※ かつての伏籠川は複雑に蛇行していました。このお寺の東側は、土地に凹凸があり、なんとなく川筋を想像できます。

コースに沿ってしばらく歩くと、「札幌村神社」に着きます。


1899(明治32)創建。「札幌神社」としたかったものの、既に同じ名前の神社(北海道神宮がかつて使用)があったため許可が下りず、「村」を加えました。

・参考リンク : 北海道神社庁 | 札幌村神社

※ 北海道神宮は、1964(昭和39)年まで札幌神社という社名でした。そのためか、北海道院宮例祭は、通称「札幌まつり」と呼ばれています。

実を言うと、札幌神社は存在するのです。(2021.8撮影)


場所は、先ほど通ったサッポロビールの構内にです。(2021.8撮影)


ウォーキング中、まして寒い時期だと、トイレが心配になるかと思います。向かいのビル1階には地下鉄東豊線 環状通東駅のバス乗り場があり、待合室にトイレが設置されています。


ここからすぐのところに、「札幌村創建百年碑」があります。


そして、こちらにも立派なお寺があります。「本龍寺」です。


札幌で最古の寺院です。安政年間(1854~1859年)に創建されました。

・見どころはこちらを → 札幌の歴史・文化情報館 | 本龍寺の妙見堂

近くには、「大友公園」があります。


ここには説明板が設置されているので、目を通してみましょう。東区の歴史、大友堀や大友公園について知ることができます。




この辺りから東側(左側)は低くなっています。


低い方は、かつて伏籠川が流れていました。

こちらですが、ぜひ立ち寄っていただきたいところ。「札幌村郷土記念館」です。


館内は、大友亀太郎関連資料が多数展示されています。

ところで、大友亀太郎とは? 開拓判官の島義勇が札幌開発に着手する前に蝦夷地に来られ、この地に御手作場(箱館奉行直営農場)を造り、用排水路として大友堀(現在の創成川の一部)を整備したのでした。

・参考リンク : 札幌の歴史・文化情報缶| 大友亀太郎

大友亀太郎像です。


この場所は、彼の役宅があった場所でした。役宅とは、特定の役目に当たる人が住むために設けてある住宅のことです。

右側には「明治天皇行幸祈念碑」があります。


「明治十四年八月三十一日 明治天皇は大友堀を中心に開墾された農業の実状をご視察になられました 令和元年十月 札幌村郷土記念館保存会 建立」とのことです。

郷土記念館を出て、次の目的地を目指します。コースは「スーパーアークス苗穂店」と「ライジングサン苗穂」がある交差点を直進します。
しかし、ここを右折し、その先のバス停「苗穂工場」を超えた信号のある交差点を左ななめに進むと、程なくして「北海道鉄道技術館」のあるJR苗穂工場の入口に着きます。所要時間は約10分です。


先に触れましたが、北海道鉄道技術館の開館日時は、毎月第2・第4土曜日の13:00~16:00です。(臨時休館の場合もあり)

建物はこちらです。(歩いた日は休館日でしたので、過去撮影画像から)


ここを見学していると、もう歩くのが億劫になってくるかもしれません。個人的には、ゴールしてから、こちらを訪問するのが良いかなぁ?と思います。(歩く距離は増えますが)

コースを進むと、T字路(のような十字路?)に突き当たります。右折すると「福山醸造(株)」があります。


北海道では、“トモエの醤油・味噌” として知られています。こちらの工場では、醤油を製造しています。(味噌は、旭川工場で製造)

大豆を蒸したような良い香りが微かに漂っていましたが、こちらからでした。


事務棟横の道(西側)を南方向に進むと、歴史を感じさせるレンガ造りの醤油蔵が並んでいます。巴(トモエ)が描かれていますね。


〔2025.2.1追記〕 北海道新聞(2025年1月31日付)の別刷「さっぽろ10区」に、福山醸造が取り上げられていました。WEBの道新デジタルにも掲載されています。


そして、ここからすぐのところにあるのが「雪印メグミルク 酪農と乳の歴史館」です。


こちらの見学はガイド付きです。完全予約制で、2営業日前までに電話での予約が必要となります。

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今回のコースは、距離が約5.6kmとそれほど長くありません。しかし、見どころがたくさんあるので、長めの投稿となりました。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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