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2025年9月13日土曜日

【蒸気機関車「クラウス15号」~ 沼田町にある炭鉄港構成文化財】

沼田町といえば、北海道空知地方の米どころ。毎年8月中旬に行われる「夜高あんどん祭り」が有名です。

・夜高あんどん祭り公式サイト

祭りの一部始終は、YouTubeで配信されました。
・【公式】LIVE配信|沼田町 夜高あんどん祭り2025| 8月23日(土)

最大の見せ場は、高さ7m、長さ12m、重さ5tの大型あんどんどうしの “ぶつけあい”。夜高あんどんは、北海道唯一の “喧嘩あんどん” なのです。
自衛隊 vs 農協、役場 vs 商工会、等のぶつけあい。自衛隊というだけで、強そうなイメージがありますね。

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前置きが長くなりました。沼田町に静態保存されている「クラウス15号」を見に行きましたので、今回ご紹介しようと思います。クラウス15号は、1889(明治22)年にドイツミュンヘン市のクラウス機関車製造所で製造され、輸入された蒸気機関車(SL)です。

日本遺産「炭鉄港」の構成文化財となっています。
・炭鉄港ポータルサイト | 構成文化財 沼田町 クラウス15号蒸気機関車

沼田町の中心部から約12km離れた山間の幌新(ぼろしん)地区。ここには、温泉やキャンプ場、化石館や資料館があり、SLは化石館前に保存されています。


車庫上に「明治 昭和炭鉱」と書かれています。
これは、どういうことかと言いますと…。このSLは、九州鉄道、国鉄、留萌鉄道を経て、かつて沼田町にあった明治(鉱業)昭和鉱業所の貨物専用線で、石炭貨車運搬用として活躍していたのです。

※ 炭鉱と鉱業所の違い、気になりませんか?
・炭 鉱:石炭という資源そのもの、石炭が存在する場所
     広義で石炭採掘の事業全体のこと
・鉱業所:資源を発掘する具体的な場所や事業体


・北海道沼田町 | クラウス15号蒸気機関車


車庫は、保存するために新しく作られたようです。広いガラス窓があり、外からも見ることができます。

近寄って見てみましょう。




運転台は、


現在、日本に現存する小型蒸気機関車の中では、最も古いとのことです。

現役時代の写真も、掲示されていました。


ところで、開館時は屋外に移動して展示しているという話を事前に聞いていたのですが、訪問時は車庫の中。外に出ているのを見たかったと思い、資料館のスタッフに事情を尋ねてみました。
すると、車軸がダメになっていて、現在は動かせないことを、教えていただきました。修理するにもお金がかかるので、少なくともここしばらくは、屋内展示になるかと思われます。

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見学を終え沼田町中心部に行く途中、「恵比島駅」に寄ってみました。


2023(令和5)年4月1日、留萌本線の「石狩沼田駅~留萌駅」間の廃止に伴い、廃駅となりました。

あれっ? 駅名が「明日萌(あしもい)」となっています。恵比島でないのでは??

ホーム側から見ると、


実はこの駅舎は、NHKの連続テレビ小説『すずらん』の撮影で使われたセットなのです。(本来の駅舎は、車掌車を改造したものとのこと)

駅前には、他にも撮影用のセットが残されていました。



石狩沼田駅です。


「深川駅~石狩沼田駅」間が廃止となり、留萌本線が全廃となるまで、あと208日! となると、この駅で開催のJRヘルシーウォーキングも、今年が最後になりますね。

過去に歩いたことがあります。
・2020年開催・石狩沼田ウォークを振り返る

今年、再び歩いてみようかなぁ。

駅横には、クラフトビール醸造所がありました。「石狩沼田ブルワリー」さんです。


こちらのビールですが、沼田町内と北広島市でいただくことができます。
・「そらち・で・ビュー:」| クラフトビールで沼田をもっと元気に!~石狩沼田ブルワリー

北広島の方(ほう)は、(北広島)駅横の商業施設「トナリエ」内の「沼田町 BEER KITCHEN」さんのトナリエ北広島店で。
エスコンに行かれた際にでも、立ち寄って味わってみてはいかがですか。

2025年8月3日日曜日

【8月11日は「山の日」 ズリ山登山はいかがでしょう?】

毎年8月11日は「山の日」。この日は、全国各地で山に親しむイベントが開催されます。

岩見沢にあるNPO法人「炭鉱(ヤマ)の記憶推進事業団」でも、この日にイベントを主催します。 山は山でも、ズリ山登山。同法人らしいですね。

・ズリ山とは:坑内から出る岩石などを捨石、俗称でズリといいます。この岩石などをトロッコを用いて、長年積み上げられてできた山のことです。

昨年は、夕張の高松ズリ山を登りました。
・過去記事:夕張の高松ズリ山を登り、選炭事業所を見学


今年は、三笠鉄道記念館第3駐車場を集合場所として、「炭鉱遺産ミステリーハイク in某ズリ山」が開催されます。諸事情により場所を公開できないのでミステリー!

イベントの詳細は

ズリ山ファンの皆様、参加されてみてはいかがでしょう?

※ 登山道は整備されていないので 靴や服などに気をつける必要があります。また、クマやスズメバチなどの心配もあります。
参加をご検討の方は、上記リンク先の記事をよく読まれるようにお願いいたします。

2025年5月20日火曜日

【炭鉱歩き ~ 旧北炭夕張鉱業所「大新抗」】

5月18日(日)、NPO法人炭鉱の記憶推進事業団主催の炭鉱歩きが開催されました。場所は、旧北炭夕張鉱業所の二砿四区「大新坑」です。

・NPO法人炭鉱の記憶推進事業団  |【申込終了のお知らせ】「大新坑」を訪れるぷらぷら歩きスペシャル

関係各所の正式な許可の下で訪問しております

夕張市石炭博物館の第二駐車場を10時にスタートします。ガイドさんやスタッフを含めて、総勢41名です。

現在では使われていない「夕張石炭の歴史村」の敷地内(立入禁止区域です)を通っていきます。「バリバリ夕張」というキャッチフレーズが印象のテレビCM、北海道ではお馴染みでした。


この橋、老朽化で下が抜けそうな橋でした。慎重に渡ります。

石炭の掘り方については、こちらで事前に知っておくとよろしいかと思います。
・NPO法人炭鉱の記憶推進事業団 | 石炭の掘り方

早速、坑口が見えてきました。


要所では立ち止まって、ガイドさんから説明を受けます。メモを取らず聞いていただけなので、主に画像中心となります。(間違ったことを書いてしまう可能性もあるので)

今は使われていないゴーカートのコースを上がっていきました。


路面には、かなりのカント(傾斜)がついています。上る(下りる)のもキツイし、もしゴーカートを運転しているのなら怖いかも。

ここから本格的に山に入っていきます。途中には、ヒグマの〇〇が落ちていました。

こちらの施設、「砂壜(すなびん)」という砂の貯蔵庫です。


坑内の自然発火を防ぐため、砂を撒いたそうです。

こちらは、立坑(竪坑)に通じる隧道の坑口です。



立坑の一番上まで石炭を運ぶのではなく、途中から水平に接続するこの隧道(長さ300m)から(石炭を)地上に出していました。

近くにあったのは、ドーム型の建屋跡。


坑口との位置関係は。


制御機器が設置されていたとのこと。


日立製ですね。


こちらは、四区排気風道です。


ターボ型のファンが設置されていたそうです。

近くには、坑口神社(跡)がありました。


立坑付近に移動しました。


こちらは、「繰込所」。


鉱員の入出抗を管理した建物です。

扇風機です。


通気のため坑内の空気を吸いだすために使用されました。

竪坑の巻上機が設置されていた施設。


見学を終え、下山します。

再び、「夕張石炭の歴史村」内を通ります。
ゴーカートのコースですが、この角度は・・・。車でも恐ろしい!


使われていない施設の数々。



こちらはSL館。(使われないのは)勿体ないような気がします。


14時近くに、スタート地点に戻ってきました。
途中、足場の悪いところや、藪をこぎながら歩くところもありましたが、参加者全員が無事に生還(?)しました。お疲れ様でした。
炭鉱に詳しくない私ですが、十分に楽しめました。

最後に、今回のガイドを務めた方のホームページをご紹介します。「大新抗」についても詳しく説明されているので、ぜひご覧ください。

・北の細道 ~ 鉱山跡・廃坑跡の探検

2025年4月24日木曜日

【5月3日 新幌内炭鉱跡(三笠市)を歩くイベント開催】

ゴールデンウィークの5月3日(土・祝)に、炭鉱跡地をぷらぷら歩くイベントが開催されます。場所は、三笠市にある新幌内炭鉱です。

予約は必要ありませんが、参加費はかかります。(*NPO会員 2.000円、一般参加 3.000円)*NPO会員=「炭鉱の記憶推進事業団」の会員

・NPO法人 炭鉱の記憶推進事業団 | 新幌内ぷらぷら歩き

・昨年の様子は、こちらで紹介されています。

60名を超える参加があったとのこと。関心の高さがうかがえますね。

ちなみに、こちらは昨年、沢歩きをして石炭露頭・炭鉱跡を見に行った時の画像です。


・過去記事 : 【沢歩きをして石炭露頭を見に行きました】

この時は、私の履いていた長靴の丈が短く、川の増水には対応できず…。いい経験になりました。

そのようなこともあるので、参加される際は準備万端で。
新幌内では沢歩きはありませんが、藪を漕いでいくようなところもあるようです。軍手や長靴、天候次第ではカッパなども用意すると安心でしょう。

2025年4月15日火曜日

【毎年恒例、ゴールデンウィークの奔別炭鉱ゲート開放・・・そして蕎麦はいかがですか?】

※ 2025.8.17更新。追記しました。

三笠市の幾春別地区にあるのが、旧奔別炭鉱です。(2024.8撮影)

ここのゲートが、ゴールデンウィーク(5月4日・5日・6日)に開放されます。

・NPO炭鉱の記憶推進事業団 | 奔別ゲート開放

入場は無料です。ガイドツアー(こちらは有料・参加費500円)も用意されています。
昨年、お盆の時期にも開放しており、訪れた時にツアーに参加しました。詳しい説明を聞くことができると同時に、参加者のみ入ることが許されたところも見学できました。

※ こちらの過去記事で紹介しています。 よろしければお読みください。
・【旧奔別炭鉱(三笠市)を見学】

普段はなかなか見ることができない炭鉱遺構。ゴールデンウィークの予定に、奔別炭鉱ゲート開放を組み込まれてみてはいかがでしょう。

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そして、ここの見学前後の昼食には、蕎麦をいかがですか? 近く(徒歩5分)に「更科食堂」さんがあります。100年近くの歴史がある蕎麦屋さんです。

店主の体調不良などにより、2020(令和2)年に閉店。その後、地域おこし協力隊により復活しました。(以下の画像3枚、2024.8撮影)

引き戸を開けて(暑い時期なので開いていました)中に入ると、左右にドアがあります。向かって左側(ご婦人が顔を向けている方)は入口専用。右側は出口専用となっていました。このドアとドアの間の空間で、お店の方のお声がけがあるまで待つことになります。(風が通らないので暑かったです)

中から何人も出てくるのに、列の進み方は遅いのです。どうして?

私にも声がかかり、店内へ。2人がけのテーブルに案内されました。混んでいたこともあり、店内の撮影は自粛しました。

注文は、テーブルに備え付けの用紙に数量を書き込み、店員さんを呼んで渡すスタイルです


〔2025.8.17追記〕
お店のホームページが出来ていることを、つい最近知りました。
・更科食堂 | 北海道三笠の100年手打ちそば

それによると、4カ国語対応の券売機が新たに設置されたとのことです。

待っている間に店内を見回して、列の進みが遅い理由が分かりました。それは・・・混んでいても、相席にしないのです。これはありがたいです。一人で、あるいはグループで、ゆっくりと食事ができます。

来ました。大もりです。

おー、白さが際立つきれいな更科蕎麦です。 喉越しの良い蕎麦とつゆの相性、良いですね。旨い!

グルメ情報サイトの口コミを見ると、こちらで提供されているラーメンも美味しく人気のようです。

・参考リンク : 北海道Likers | 約100年愛された蕎麦をもう一度。惜しまれつつ閉店した老舗を移住者が復活させる(北海道三笠市)

2025年4月11日金曜日

【4月19日(土)、夕張市石炭博物館の『模擬坑道』が再開】

※ 2025.4.16更新。追記しました。

こちらの画像は、夕張市石炭博物館です。(2024.4撮影)

同博物館の中核施設である『旧北炭夕張炭鉱模擬坑道』が、7年ぶりに再開されることになりました。4月19日(土)からです。

詳しくは、夕張市石炭博物館のホームページで。

〔2025.4.16追記〕--------------------------------------------------    
TVh テレビ北海道のニュースで模擬坑道について報じられ、ホームページにも動画がアップされました。

・TVh テレビ北海道 | 道新ニュース・5時ナビ

・「夕張の模擬坑道 今週末 再開」
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石炭の大露頭も見ることが出来ます。(2024.4撮影)


博物館近くでは、鉄道遺構も。(2024.4撮影)


昨年(2024年)3月に廃止された石勝線夕張支線より昔のホーム跡です。

かつて日本の近代化や工業化を支えたのが石炭です。それについて学べる貴重な博物館。訪れてみてはいかがでしょう。

2024年10月22日火曜日

【沢歩きをして石炭露頭を見に行きました】

※ 2024.11.29更新。追記しました。

面白そうなまち歩きがないかと思って調べていたところ、見つけたのがこのイベントでした。

・《ぷらぷらまち歩きSPL! in石炭露頭調査隊》 コチラ(リンク)に載っています。(⑪です)

・「そらち★ヤマの記憶だより」(リンク)の方が、より詳しいです。

川にある石で歩きにくいとはいえ、勾配がほとんど無く、体力的にきつくないとのこと。沢歩きをしたことのない自分でも大丈夫!と思い、参加することにしました。

開催日は10月20日。この日、私の住む札幌は初雪が降りました。朝、車を見ると…。


ボンネットやルーフに、少々積もって(?)いました。ちょっと早くないですか?

気を取り直して、開催地の岩見沢市毛陽町に向かいます。距離は55kmほど。一般道を通り、1時間少々です。

集合場所に到着です。天気は曇り。気温は低めですが、風が無いため、それほど寒く感じません。(この日の岩見沢市ですが、最低気温は3.5℃、最高気温9.3℃でした)

受付を済まします。その際、「昨日からの雨で川が増水しており、引き返す可能性もあり。そして、過酷なものとなりそう」と説明を受けました。えー、過酷?

10時となり出発します。今回のガイドは、NPO法人炭鉱の記憶推進事業団の平野義文理事長。他に、同法人の理事である夕張市石炭博物館の石川成昭館長やスタッフ数名、そして、この場所に詳しい地元の方も同行。総勢37名です。平野さん曰く、「こんなにマニアックな人が集まるとは思わなかった」と。女性の参加者も多かったです。

途中、“熊のお墓” がありました。

いよいよ沢歩きになります。普段は水が少ないとのことですが・・・。

えー! ここを歩くんですか?(なにしろ沢歩きは初めてなので)

長靴必須でしたが、私の用意したのは丈が短い。容赦なく、中に水が入ってきます。

最初の2,3回は気をつけていましたが、後は自棄糞(やけくそ)に。長靴に水が入ることを気にしていられなくなりました。川底は滑るし、水に流されそうになりますが、前の人に続いて慎重に歩きます。(実は、1回転びました)

川から岸に上がる時に、地盤が柔らかかったり段差があったりで、大変なところがあります。その場合は、助け合い。良いですね。

川は幾重にも蛇行しています。少しでも歩きやすいところを、ということで、片道につき20回程度は川を渡りました。陸地では、薮をかき分けての移動。こういう時に、けもの道があると歩きやすかったです。

少々休憩します。

熊が住んでいる場所に、私たちがお邪魔したのですが、これだけ人数がいると安心かな?

このようなものが、転がっていました。

植物が石化したもので、炭化はまだ。そのため重いのです。

もちろん、石炭も。

他にノジュールもありました。(画像は撮り忘れです) 説明が難しいので、こちらをどうぞ → Wikipedia「団塊」(リンク)

沢を流れる川を撮ったのですが、右側の木に “気になる” ものが。

出たぁ! 熊の爪痕です。

時間が経っているので、幅が広くなっています。熊がいることは間違いありません。

このような人工物もありました。

水で流されてきたのではなく、上からずり落ちてきたようです。

そして、お目当ての石炭の露頭です。川の増水で、近寄れませんでした。

遺構がありました。この辺りが、炭鉱跡のようです。


橋脚と思われる構造物の上には、レールも見えますね。

こちらは、碍子(がいし)です。(散らばっていたのを集めてくれました)

このような滝も、見ることができましたよ。

この先に大露頭があるとのことですが、時間的な問題から、行くことは断念。食事休憩を取ることになりました。休憩後は、来た道、ではなく沢を引き返し(途中からは沢を離れ)、無事に戻ることができました。

昔は、このようにして石炭層を見つけたんですね。先人のあくなき探究心や情熱に、頭の下がる思いがしました。

普段、山歩きや沢歩きをしている方にとっては、大したことではないかもしれませんが、私にとっては少々過酷でした。では、これが嫌だったかというとそうではなく、非日常を体験できて、意外と楽しかったです。体は…。翌日はあちこち痛かったですが。

来年も開催されれば参加かな?(← あっ、鬼が笑っているかも)

〔2024.11.29追記〕

イベント主催者のブログに、この時の様子が掲載されました。よろしければお読みください。

・ブログはこちらです → https://yamasoratan.blog.fc2.com/blog-date-20241124.html